【Beaconマニア - EP8】NFCの弱点

こんばんは、秋山です。前回のEP7のラストで「NFCには大きな弱点がある」と少し大仰に書いてしまいました。これまで僕はBeaconやその他の技術の特徴について、「どっちが良いとか悪いではない」というように表現することがほとんどだったのですが、今回ばかりは弱点と明言しました。

さて、その肝心の弱点とは一体何なのか。それは

NFCAndroidにしか対応していない

ということです。NFCタグの方をユーザーが携帯するというサービスならまだしも、設置されているNFC機器にユーザーのスマートフォンをかざすということであれば、2大OSのうち、片方に対応していないというのは非常に致命的です。もちろん現状ではということではありますが、今後iPhoneNFCが搭載される可能性は非常に低いと思われます。これが僕の考えるNFCの最大の弱点です。

 

また、このAndroidにしか対応していないというのは、日本国内でサービスを行う場合にはより致命的な弱点となります。それは日本が、世界一と言っても過言ではないぐらいのiPhone大国だからです。

アウンコンサルティング様が今年の3月18日に、2016年2月時点でのスマートフォンの「世界40カ国、主要OS・機種シェア状況」の調査結果を発表しました。日本国内における上記のシェア率は、OSはiPhoneに入っているAppleiOS、機種はApple製のiPhoneが共にに66.2%となり、調査対象となった世界40ヶ国・地域の中で、日本が最もAppleのシェア率が高い国となっております。世界各国の状況を見ると、OSは40ヶ国中31ヶ国でAndroidのシェアが国内トップとなり、31ヶ国のうち24カ国でシェア率が60%以上でした。一方、iOSのシェアが国内トップとなった国は、米国(シェア率51.0%)、カナダ(同54.1%)、オーストラリア(同57.7%)、英国(同45.7%)、スイス(同58.7%)、デンマーク(同59.7%)、スウェーデン(同53.5%)、ノルウェー(同50.5%)、日本の9ヶ国しかありません。

 

この結果が示すように、日本向けのサービスを構築する上で、iPhoneは欠かせない存在です(もちろんAndroidもですが)。そんな中、iPhoneが対応していないNFCをサービスのコア技術に据えるのは、サービス対象が減るという点から見ても非常にリスキーと言えるでしょう。もちろん、前述のようにNFCタグを携帯し、NFCリーダーにかざすようなサービスであれば、あまり影響はないかもしれません。ですがサービスにNFCを用いるということは、このようなリスクがあることは、必ず覚えておいた方が良いと思います。

 

今回はこのあたりで終わりにします。ありがとうございました。